大会長挨拶

一般社団法人日本透析医学会 関連地方学術集会
第73回 長野県透析研究会学術集会
大会長 大西 禎彦
(特定医療法人財団大西会 千曲中央病院 理事長・院長)

第73 回長野県透析研究会学術集会 開催にあたって

 

 第73回長野県透析研究会学術集会は千曲市の信州の幸あんずホールにて開催し、「透析患者のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)―医療スタッフの役割・患者との共同意思決定―」をテーマに掲げております。

 近年、透析患者の高齢化が進む中で、サルコペニアやフレイル、認知機能低下といった課題への対応が、私たち医療従事者にとってますます重要になっています。透析治療を受けながら、患者さんが生活の質を維持し、尊厳を持って生きるためには、身体的・精神的な側面を総合的に評価し、適切な介入を行うことが求められます。その中でACPは、患者さんの価値観を尊重し、最適な医療を提供するための重要なプロセスとなります。

 本学術集会では、ACPの実践的な課題について議論を深めるべく、シンポジウムを開催いたします。今回、ACPに関する豊富な知識と経験をお持ちの川島病院血液浄化管理センター長の岡田一義先生にもご参加いただき、医療スタッフの役割や、患者さん・ご家族との共同意思決定のあり方について、実践的な視点からご講演いただく予定です。

 また、ランチョンセミナーでは、兵庫医科大学循環器・腎透析内科学主任教授 倉賀野隆裕先生をお迎えし、透析医療に関する貴重なご講演をいただきます。さらに、特別講演として、日本大学腎臓内分泌内科主任教授 阿部雅紀先生にご登壇いただき、「透析患者の栄養障害とフレイル対策」につきまして最新の知見をご紹介いただきます。お三方のご講演が、皆様の日々の診療において大いに参考となることを確信しております。

 本学術集会が、透析医療に携わるすべての方々にとって、実り多い学びと意見交換の場となることを願っております。最後になりますが、本会の開催にご尽力いただいた関係者の皆様、ならびにご参加いただいたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
 どうぞ最後まで活発な議論を交えながら、有意義な時間をお過ごしください。